上高地へはマイカーで奥まで入れない。 釜トンネル(長野県松本市)より先はマイカー規制のため、沢渡(さわんど)バスターミナルに車を停めてシャトルバスか乗合タクシーに乗り換えるのが基本だ。松本駅からなら直通バス1本で行ける。
標高約1,500mに広がる上高地は、穂高連峰を望む河童橋や大正池など日本を代表する高原風景が集まるエリアだ。舗装された遊歩道でつながっており、ハイキング初心者でも歩いて回れる。開山期間は例年4月中旬〜11月15日で、冬季は閉鎖される。
見どころ1:河童橋——上高地の”ど真ん中”
梓川(あずさがわ)にかかる全長36.5mの吊り橋で、バスターミナルから徒歩約15分の場所にある。橋の上から穂高連峰を正面に見渡せる眺めが、上高地を象徴する風景として広く知られている。
橋のたもとには売店・食堂・上高地ビジターセンターが集まり、休憩やトイレも済ませやすい。「時間があまりない」「足腰に不安がある」という場合は、河童橋まで往復するだけでも上高地の代表的な景色を体験できる。所要時間はバスターミナルから往復で約1〜2時間。
※ 地図の印=上高地(会場の陸側)。地図は右上の+−ボタンやホイールで拡大・縮小できます(地図:© OpenStreetMap contributors)
見どころ2:大正池——水面に浮かぶ枯れ木の絶景
1915年(大正4年)の焼岳噴火で梓川がせき止められてできた池。今も池の中に立ち枯れた木が残り、晴れた日には穂高の山容を水面に映す。
大正池バス停(バスターミナルから路線バスで数分)で降りてそのまま散策に入れる。大正池→田代池→河童橋のルートで歩けば自然に下る流れになり、体力を使いにくい。片道約5km、所要は約1時間30分。
見どころ3:明神池——奥地の静かな神聖な池
河童橋から梓川沿いの遊歩道を徒歩約60分(片道約3km)進んだ場所にある。穂高神社奥宮の境内に位置し、拝観には料金がかかる(大人300円・要確認)。
水の透明度が高く、マガモなどの野鳥が集まる。「人混みを避けてゆっくり歩きたい」という人向けのスポットで、往復の所要時間は約3〜4時間を確保したい。
所要時間の目安
| コース | ルート | 歩行距離 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 短め(半日) | バスターミナル→河童橋→バスターミナル | 約3km | 約1〜2時間 |
| 標準(1日) | 大正池バス停→田代池→河童橋→明神池 | 約11km | 約5〜6時間 |
| ゆっくり(1日以上) | 上記+徳沢(とくさわ)まで往復 | 約16km以上 | 8時間以上 |
体力に余裕がない場合は「大正池バス停→河童橋」の片道歩きにとどめ、バスで戻ると無理がない。
料金・営業時間・アクセス
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 上高地 入山料 | 無料(自然保護協力金500円を任意でお願いしています) |
| 開山期間 | 4月中旬〜11月15日(冬季は釜トンネル閉鎖) |
| 明神池 拝観料 | 大人300円・子ども150円(要確認) |
| 沢渡駐車場料金 | 1日700円(普通車・要確認) |
| 沢渡→上高地 シャトルバス(片道) | 大人1,300円・子ども660円(要確認) |
| 松本駅→上高地 バス(片道) | 大人2,740円・子ども1,370円(要確認。アルピコ交通) |
| 沢渡→上高地 乗合タクシー | 1台約4,600〜4,900円(4人まで・要確認) |
| 問い合わせ | アルピコ交通 TEL:0263-35-7400 |
※料金・時刻は変更される場合があります。各社の公式サイトでご確認ください。
行き方
車で行く場合
長野自動車道「松本IC」を出て国道158号を西へ約1時間走ると沢渡エリアに着く。複数の有料駐車場があり、収容台数は合計2,000台以上(要確認)。釜トンネル方向へのマイカー乗り入れは禁止されているため、ここでシャトルバスか乗合タクシーに乗り換えること。岐阜県側の平湯(ひらゆ)温泉バスターミナルからも同様に乗り換えが必要だ。
電車・バスで行く場合
JR松本駅(東口)からアルピコ交通の上高地行きバスに乗車。所要約80分。シーズン中は早朝6時台から本数が多い(時刻は公式サイトで要確認)。
東京・名古屋から直通バスを使う場合
新宿・名古屋発の高速バスが上高地まで直行する便を夏季を中心に運行している(要確認)。乗り換えなしで行けるため、荷物が多い場合や遠方からの旅行者に向いている。
行く前に知っておきたい注意点
① 帰りのバス時刻を必ず確認する
上高地内に宿泊しない場合、最終バスの時刻を逃すと帰れなくなる。シーズンや曜日によって最終便の時刻が変わるため、出発前にアルピコ交通の公式サイトかTEL:0263-35-7400で確認しておくこと。
② 混雑する時期は早朝入山が有効
ゴールデンウィーク(4月末〜5月初旬)・7〜8月の夏休み・9〜10月の紅葉シーズンは混雑する。早朝7時台に入山すると河童橋周辺でも人が少なく歩きやすい。沢渡駐車場が朝のうちに満車になることもあるため、6時台到着を目安にしたい。
③ 夏でも防寒着が必要
標高1,500mのため、7月下旬でも朝晩は10〜15℃になることがある。長袖の上着とレインウェア(または折りたたみ傘)は必ず持参したい。天候が急変することも多く、山の天気予報を出発前に確認するのが基本だ。
④ 食事は河童橋周辺で取るか弁当を持参する
上高地内の売店・食堂は河童橋周辺に集まっている。大正池や明神池の近くにも山小屋があるが、品数は少なく昼食時は行列ができることも。食べ物に困りたくない場合は弁当持参が確実だ。
⑤ 熊の出没情報を確認する
上高地は野生の熊が生息するエリアだ。入山前に上高地インフォメーションセンターや松本市の公式情報で出没状況を確認すること。単独行動のときは熊鈴を鳴らしながら歩く。
まとめ
上高地で「まず何をすればいいか」に迷ったら、バスターミナルから河童橋まで歩いてみることが最初の一歩だ。片道15分の距離で穂高連峰のパノラマが見られる。時間があれば大正池まで足を延ばし、池に映る山の姿を見れば1日の価値がある。
アクセスの要点は「沢渡か平湯でバスに乗り換える」の1点だけ。松本駅からなら直通バスで乗り換えなしで行けるので、公共交通でも訪れやすい場所だ。開山期間(4月中旬〜11月15日)を外さず、帰りのバス時刻だけ確認しておけば、あとは自分のペースで歩ける。
よくある質問
Q. 上高地は何月に行くのがおすすめですか?
春の新緑と残雪が重なる4月下旬〜5月上旬と、紅葉シーズンの9月下旬〜10月下旬が特に人気だ。夏(7〜8月)は緑が濃く、空気が涼しい。いずれも週末・連休は混むため、平日に行くとゆっくり回れる。
Q. 上高地に駐車場はありますか?
上高地内(釜トンネル通過後)に一般車両の駐車場はない。沢渡バスターミナル(長野県松本市)に停めてシャトルバスか乗合タクシーで入山する。収容台数は複数の駐車場を合わせて2,000台以上(要確認)だが、ゴールデンウィーク・夏休みは早朝から満車になることがある。
Q. 子ども連れで行けますか?
河童橋までの遊歩道は整備されており、小学生以上ならほぼ問題なく歩ける。大正池〜河童橋の区間も舗装路が多い。ただし明神池まで往復すると7km以上歩くため、幼児連れには短めコースを選ぶか、バスで移動距離を減らす工夫が必要だ。
Q. 上高地内で食事はできますか?
河童橋周辺に食堂・売店が集まっており、山賊焼き・そば・定食などが食べられる(営業時間・内容は要確認)。明神池・大正池の近くにも山小屋があるが品数は少ない。昼食を確実に取りたい場合は弁当の持参か、河童橋周辺で早めに食べるのがおすすめ。
Q. 最終バスは何時ですか?
シーズン・曜日によって変わるため、アルピコ交通の公式サイトまたはTEL:0263-35-7400で確認すること。一般的に最終バスは17〜18時台のことが多いが、紅葉シーズンは日没が早いため、それより前に切り上げて余裕を持って乗車するのが安全だ。
